鬼平犯科帳SP・雨引の文五郎
火付盗賊改方に、近々日本橋の足袋問屋「大野屋」に盗みに入るという予告状が届いていた。差出人の名は「雨引文五郎」。文五郎(國村隼)はひとり働きの盗っ人で、隙間風の異名のとおり、音もなく出入りし、必ず証拠の名札を残していくことで有名だった。 予告通り、大野屋に盗人が入った。だがそれは文五郎ではなく、急ぎ働き専門の落針の彦蔵(菅田俊)一味だった。火盗改めの活躍で一味は捕らえられたが、彦蔵らは逃げおおせてしまう。長谷川平蔵(中村吉右衛門)は、文五郎の密告と判断、盗人同士の仲間割れだと考えた。 予告状の話は彦蔵の耳にも入った。激怒する彦蔵は文五郎の居場所を探し出す。手下の政次(土屋裕一)は以前文五郎と仕事をしていた犬神の権三郎(**健)の女房、おしげ(賀来千香子)のところへ聞き込みに行った。「どこにいるかは知らない」というおしげ。だが、帰り際、権三郎がいきなり...