マレーヒルの幻影
小説「グレ-ト・ギャ*ビー」では、主人公のギャ*ビーとデイジーの関係が、語り手のニック・キャラウェイの視線で描かれていますが、ギャ*ビーの物語を踏まえた上で描かれる今回の新作では、原作であまり語られていない女性の側の(すなわちデイジーのお話)にスポットをあてて練り直します。さらに、小説の主人公さながらの数奇な運命を辿った作者・フィッ*ジェラルドとその妻・ゼルダの関係にも迫ります。有名人気作家の妻でいることに飽きたらず、自己実現のために愛する夫とまさに「戦い」とも言える激しい関係を築き、果ては精神を病んで若くして亡くなったゼルダの幻影が、主人公の女性像に反映されるという「ギャ*ビ-」と「ゼルダ」の2重の物語によって、より深みと、緊迫感にあふれるドラマを目指します。