女医的诊察室原名:女医の診察室,又名女医诊察室
国際港Y市、ここにはその設備施設を誇る“聖ペテロ施療病院"がある。ここの産婦人科部長は若く美しい田島文子医博であった。彼女は毎日の激務の間にも前々からとりかかっている心臓病の研究だけはおろそかにしなかった。というのは心臓病が彼女の宿痾になっていたのだ。ある日、二人の新任の医博が赴任して来た。内科部長の野間亀太郎と、顧問の川村信吉。信吉こそは文子とかつて言い交わした仲であった。ところが信吉は成績甚だ香しからず、それ故に文子はいたく失望して、わざと彼のところから離れ、自分自身が専心医学に突入し、遂に博士号まで得て今日に至ったのである。それは結局愛する人信吉を発憤させる為だった。が、信吉は簡単に曲解し、栄子と結婚して一子信夫まで設けている今日であった。文子の考えは全くの誤算というべく、しかもそれは余りに大きな痛手であった。計らずもその信吉と顔を合わした文子...