風雲千両船
貨物船北洋丸の機関夫笠井は、仲間の**に喧嘩を吹っかけられ争っているうちに、**は激浪に足をさらわれて海中に没した。**の姉、千恵は、港町の酒場で働きながら、弟の帰航を待っていたが、機関長の足立や笠井などがやって来て聞かされたのは悲しい弟の死だった。笠井は自分にも責任があるように感じて、千恵を*めようとしたが、かえって彼女の反感をあおった。その上酒場のマスター島村は笠井に敵意をもって乾分に闇討ちをさせたが、笠井はあべこべに一味を海中へ投げ込んだ。千恵は笠井と度々会ううちに、次第に好意を持ち合うようになったが、足立は二人の仲を嫉妬して**の死は笠井のためであると中傷した。そのため、笠井が結婚を申し込んだとき、千恵ににべもなくはねつけられ、呆然としているすきに島村のためにのされ船へ運ばれた。正気にかえった笠井は港を出航しようとしている船から海へとび込んで...