勝負犬
相棒の常さんと、昼は競艇の予想屋、夜は流しで生活している大介は、ある不思議な殺人**に出っくわし、捜査に来た顔馴染みの刑事木村と会った。木村から凶器が無音、無煙、無光の新型拳銃だと知らされた拳銃マニアの大介は、すっかり好奇心をそそられてしまった。そんな時、大介のところに転り込んで来た歌手志望の玉子を売り出すため、一肌脱ぐ気になった大介だったが、それが縁で、十五年振りに米国から帰ってきたという中沢と知り合った。しかし、大介が興味を持ったのは初めて父に会ったという中沢の娘律子の美しさだった。一方、木村は貿易商である中沢を新型拳銃殺人**と関係あると見て大介に協力を依頼した。新型拳銃は中沢の手で各地の暴力団に流されている形跡があったのだ。そして木村が抱いているもうひとつの疑念は、中沢は木村が昔逮捕しそこなった凶悪犯ではないかということだった。木村は早速、大...