シミキンの忍術凸凹道中
今から四百年前、**万能の戦国時代のものがたり……貧乏百姓の於可留はわが子金助を忍術使いにしたいと思った。一人で便所にも行けない臆病者の金助は、母に励まされて甲賀流の忍術者戸太白雲斎に弟子入りした。猿飛金助と呼ばれたが、日課といえば薪を割ったり風呂をたいたり、白雲斎の好物のナマズや猪をつかまえる事で、まるで下男同然の忙しさで、不満を口に出すとどこからともなく白雲斎の鉄せんが飛んで来て頭をたたかれる始末。このつらい修行を支えたのは同僚の女修行者於香女がいたからで、金助は内心秘かに彼女に胸をこがしていた。やがて蛍雪の課程をおえて卒業式となったが、末席の金助はだれにもやとわれず失業してブラブラ山を下りた。そうして岩山大六に何も知らずに雇われた。大六の家へ行くとおどろいたことには於香女がいた。於香女は大六の娘だった。金助は得意だったがある日大六が里の町家を襲...