この世の花完結篇 第九部 愛の裁き
悪辣な塚越のため、白浜の料亭に売られた久美子は土地のボス馬島の世話を受けろと強要され苦しむ。池田は何とか彼女を救おうと金策に奔走したが思うにまかせず、考えあぐんだ末、有川を訪ねる。彼は社長***美智子との仲を中傷する米沢専務一派に怒り、辞表を叩きつけたところ。池田は彼に五万円の金を差出し、久美子の救出を頼んで立去る。だが有川も塚越一味の妨害で久美子に会えなかった。一方、誤解から家出した島本京子は美智子の心配をよそに、不良仲間と渡り歩いていた。窮地に陥った久美子は、朋輩英子の助勢で義母千代子の裏長屋に逃げ戻るが、塚越の追求で再び危機に直面その場へとび込んだ義弟清は誤って塚越を刺し、久美子は自ら殺人の罪を負い自首する。驚いて拘置所を訪れた有川を、迷惑が及ぶのを恐れた久美子は冷たく追い帰す。やがて有川は金沢へ赴任の直前、池田に久美子のことを頼み込む。差入れ...