銭形平次捕物控 夜のえんま帳
えんま寺は教祖様に願をかける信者でにぎわった。鍵屋の崎江は夫孫兵衛の女狂いの悩みを訴えた。謎の声が千両寄進しろといった。その翌日、孫兵衛の死体が隅田川で発見された。目明しの三の輪の万七と子分のお神楽の清吉は過失死と断定した。しかし銭形平次と子分のガラッ八、熊吉は何か不審なものを感じた。崎江は寺へ千両を納めに行き、何者かに襲われた。料亭・万両には、旗本の不良息子の畑源十郎や富沢主殿がしげしげと通っていた。また豪商千葉勝の養子秀太郎は、売れっ子芸者染吉を近く身うけするという。もう一人、彼女に熱を上げている者に、若侍たちの頭領格・水落参之助がいた。秀太郎は義母お民と仲が悪かった。数日後、秀太郎は勘当された。彼はえんま寺に行った。不思議な声は秀太郎が望むお民の死を見抜いた。平次の女房お静のところへ、染吉が相談にきた。そこへガラッ八らが、上州無宿の和助というお...