小职员忠臣蔵原名:サラリーマン忠臣蔵,
丸菱コン*ェルンでは、同財閥で招待したアメリカ経済使節団の到着を明後日にひかえ、その準備に大わらわだった。本社では足利直義会長を中心に、赤穂産業社長浅野卓巳、丸菱銀行頭取吉良剛之介、若狭金属社長桃井和雄ら**社の社長たちが集った。接待委員長吉良と委員桃井は贈物のことで論争し、浅野になだめられた。その夜、浅野はヨーロッパに出張する専務大石良雄の壮行会に出席した。席には浅野の愛人で芸者の加代次も加わった。帳場では秘書早野寛平と専務の運転手寺岡平太郎が待っていた。寛平には寺岡の妹でタイピストの隆子という恋人がいた。会が終って大石は浅野と懇談し、加代次との結婚をすすめた。若狭金属の角川専務は、桃川社長が吉良と口論したのを聞き、会社に災難がふりかかるのを思って吉良に彼の秘書伴内を通じて時価三百万円のヒスイを献上した。吉良はご満悦、が、加代次が浅野を好きだと知っ...